情報発信(6年度)
(1)金沢城ARアプリ
「金沢城ARアプリ」は、金沢城や兼六園に関する調査研究の成果などを「歴史・文化プレミアム情報」として、普通の観光では満足できない熱心な愛好家へ向けて、平成25年度末から配信している。平成26・30年度にはコンテンツ拡充、多言語化等の改修を実施。令和6年度は、新たに下記の内容の改修を実施し、令和7年3月に公開した。
<内容>
・前回の改修(平成30年度)以降の調査成果について14コンテンツを追加した(60スポット300コンテンツ→ 60スポット314コンテンツ)。
・動画視聴機能を追加した(石垣動画22コンテンツ(YouTubeでも公開中))。
・現地以外でもすべてのコンテンツへのアクセスが可能となり、来訪前後の予習・復習に利用したいという要望に応えた。
なお、令和6年度までの累計ダウンロード数は、73,087回である(令和7年3月末現在)。
(2)金沢城デジタル長屋

「金沢城デジタル長屋」は、これまでの調査研究の成果を蓄積してきたデータベースを令和4年度に新規システムに移行したことにともない、外部からも、絵図や石垣、埋蔵文化財出土品などの画像や情報を手軽に検索・閲覧できるWebサイトとして、令和5年4月1日に公開した。
令和6年度は、動画データベースを追加(研究所YouTubeチャンネルで公開中の石垣動画)したほか、新規または改めて許諾を得た刊行物や収集資料などを追加掲載した(刊行物等6点、絵図88点等)。
(3)金沢城調査研究所YouTube チャンネル
「金沢城調査研究所YouTube チャンネル」では、令和6年3月11日より金沢城の石垣の魅力(技と美)について、歴史愛好家や、ボランティアガイドのテキストになり得る動画を公開している。
令和6年度は、ARアプリ・デジタル長屋からもアクセスを可能とし、収載した動画を視聴できるようにした。
(4)金沢城シンポジウム
金沢城調査研究事業の成果を踏まえて、「能登半島地震と金沢城─文化財石垣の価値と復旧─」をテーマにシンポジウムを開催し、金沢城の新たな価値と特徴を広く県内外に発信した。
期日:令和6年10月19日(土曜日)
会場:石川県文教会館ホール(金沢市尾山町10-5)
主題:「能登半島地震と金沢城─文化財石垣の価値と復旧─」
対象:一般県民(参加者220名)
<日程>
13時00分 開会挨拶 北野 喜樹(石川県教育委員会教育長)
13時05分~14時15分 北野 博司(東北芸術工科大学教授)「講演 文化財石垣の復旧─価値の保存と防災─」
14時15分~15時15分 滝川 重徳(石川県金沢城調査研究所副所長)「報告 金沢城の石垣と被災概要」
15時15分~15時45分 関根 章義(仙台市教育委員会)「報告 仙台城跡の災害復旧と石垣調査」 15時55分~16時40分 パネルディスカッション 司会:冨田 和気夫(石川県金沢城調査研究所所長)
16時40分 閉会
(5)金沢城スペシャルガイドツアー
所員や外部の専門家が、石垣・庭園・建造物をみるポイントを現地で解説することにより、金沢城ならではの特徴を一段掘り下げて伝えた。令和6年度より回数を増やし、全16 回(前年までは全10 回)とした。庭園・建造物コースは各4回(前年までは各2回)、石垣コースは4コース各2回(前年までは3コース各2回)の全16 回に再編し実施した。
実施日:【前期】令和6年6月4日(火曜日)・6日(木曜日)・8日(土曜日)・15日(土曜日)・20日(木曜日)・22日(土曜日)午前/午後・25日(火曜日)、【後期】令和6年10月5日(土曜日)・10日(木曜日)・12日(土曜日)・24日(木曜日)・29日(火曜日)・11月5日(火曜日)・7日(木曜日)午前/午後
コース:「石垣」「庭園」「建造物」
定員:1回20名程度(参加人数:延べ299名)
(6)金沢城大学
会 場:第1回:石川県文教会館ホール、第2~10回:石川県立美術館美術館ホール
(7)パンフレット「金沢城を探る」No.22の発行
(8)年報(A4判 38頁)の刊行
(9)金沢城史料叢書等の刊行
(10)報道発表・講師派遣ほか
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